電気のお仕事 その12
弊社の仕事に、いつもご理解およびご賛同をしていただき、ありがとうございます。
「電気のお仕事」は12回目の掲載になります。
前回の「耐震計算」に引き続き、もう少し具体的な内容でご紹介します。
盤等の電気品は、ある程度の地震の大きさまでは耐えられる様に基礎コンクリートにアンカーボルトを設定し、堅固に据付けを行います。
アンカーボルトは「あと施工アンカーボルト」といい、コンクリート打設後に穴をあけてボルトを設定します。
アンカーボルトは、「機械(メカニカル)式」と「樹脂(接着)式」の2種類が有り、「機械式」にはまた、「おねじタイプ」と「めねじタイプ」の2種類があります。「樹脂式」にも「1液タイプ」と「2液タイプ」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
許容引抜荷重が大きい順に(ボルト径M12、床設定の場合、概算値)
樹脂式(9kN)>機械式(おねじタイプ)(6kN)>機械式(めねじタイプ)(0.7kN)
となります。
前回お話しした通り、地震が発生した場合、地震力は盤重心に横向きに掛かります。
すると、床に設定したアンカーボルトには、片側に"圧縮力"と"せん断力"、片側に"引張力"が掛かります。
アンカーボルトの"許容引抜荷重"が"引張力"と"せん断力"より大きければ盤は倒れないということになります。
地震力は、設計用水平震度は階高が高くなると大きくなるため、上層階ほどアンカーボルトの本数が多くなったり、サイズが大きくなってきます。
また、環境によりSS400よりSUSを使用する場合には、鋼材の許容応力度が1割程度低下するため注意が必要です。
床に配線ピットがある場合やフリーアクセス床の場合は、盤架台を設置することが多く、架台の強度計算が必要になり、部材の選定や脚部プレートの厚さも考慮することが大事です。
また、配線ピットと盤の配置により一部に盤架台が必要な場合は、アンカーボルトの位置や長さが変わってくることがありますのでさらに注意が必要です。
地震や災害が発生しても、電気設備の損傷を最小限にくい止め、施設が早急に復旧出来る様な工事設計を目指して、お客様のお手伝いをしたいと考えております。