電気のお仕事 その11
弊社の仕事に、いつもご理解およびご賛同をしていただき、ありがとうございます。
「電気のお仕事」は11回目の掲載になります。
今回は、耐震計算についてご紹介します。
「電気のお仕事」その3で、盤関係の据え付けで「耐震計算」や「強度計算」を実施し、地震の影響や強度不足による電気品の倒壊を防ぎ、施設や設備の機能を維持することが大事だと記載しました。
また、耐震設計基準は、下記の図書に準拠しています。
- 「建築設備耐震設計・施工指針(日本建築センター)」
- 「電気設備工事必携(日本下水道事業団)」
今回は、準拠している耐震設計基準について、少しお話したいと思います。
まず、地震が発生した際の電気品への地震力を計算します。
水平(横)に掛かる力 FH=KH×W(kN)
FH:設計用水平地震力
KH:設計用水平震度 → =Z×KS (Z:地域係数、KS:設計用標準震度)
W:設備機器(電気品)の重量(Kn)
鉛直(縦)に掛かる力 FV=KV×W(kN)
FV:設計用鉛直地震力
KV:設計用鉛直震度 → =1/2×KH
W:設備機器(電気品)の重量(Kn)
*作用点は設備機器(電気品)の重心となります。
設計用標準震度(KS)について
まずは、「建築設備耐震設計・施工指針(日本建築センター)」では
( )内の値は水槽の場合に適用する
「電気設備工事必携(日本下水道事業団)」では
となります。
例えば、2階建ての2階に設置する耐震クラスSの電気品の場合、KS値は、「建築設備耐震設計・施工指針(日本建築センター)」では、2.0「電気設備工事必携(日本下水道事業団)」では、1.5となります。
公共設備の場合、水害等による電気設備の被害を防ぐため、2階に電気品を設置することが多く、準拠する基準により上記の設計用標準震度の違いでアンカー本数・サイズに影響が出てきます。
確実な耐震計算を行うには、準拠する基準図書を確認することが大事です。
地震や災害が発生しても、電気設備の損傷を最小限にくい止め、施設が早急に復旧出来る様な工事設計を目指して、お客様のお手伝いをしたいと考えています。