意外と身近な「ラーメン構造」って何?

今回は、建物の構造に欠かせない「ラーメン構造」についてご紹介します。

一見すると少しユニークな名前ですが、実は多くの建物に採用されている、非常に重要な構造方式のひとつです。

■ 「ラーメン構造」ってどんなもの?
「ラーメン構造(Rahmen構造)」とは、柱と梁を剛接合(固定接合)して、建物を支える構造形式のことです。
“ラーメン”という名称は、ドイツ語で「額縁」や「フレーム」を意味する“Rahmen”に由来しています。

この構造では、柱と梁が一体となって枠組み(フレーム)をつくり、建物にかかる荷重や外力を分散して受け止めます。

■ ラーメン構造の特長とメリット
ラーメン構造には、以下のような特長があります。

1. 間取りの自由度が高い
柱と梁で構造を支えるため、壁の位置に制約が少なく、自由な空間設計が可能です。
住宅、事務所、商業施設など、用途の変更が想定される建物に適しています。

2. 大きな開口部がとれる
剛性のあるフレーム構造のため、広い窓や開放的な空間設計も実現可能。
明るく、風通しの良い室内環境をつくることができます。

3. 耐震性・耐風性に優れる
地震や風などの外力を、柱と梁の接合部でしっかり受け止め、構造体全体で力を分散させる設計です。
耐震性能の確保にも有利とされ、安心・安全な建築に貢献します。

■ 注意点や課題は?
もちろん、どんな構造方式にも一長一短があります。ラーメン構造にも以下のような注意点があります。

構造部材が大きくなることがある
剛接合を実現するため、柱や梁が比較的太くなる傾向があります。
そのため、空間の有効面積に若干の影響が出る場合があります。

施工精度と構造計算の正確性が求められる
剛接合部の設計と施工には高い精度が必要であり、信頼できる設計・施工体制が重要です。

■ 実際にどんな建物に使われているの?
ラーメン構造は、以下のような建物でよく用いられています。

鉄筋コンクリート造(RC造)のマンション

鉄骨造(S造)のオフィスビル・商業施設

教育施設・医療施設 など

中高層の建物を中心に、都市のさまざまな場所で活躍している構造方式です。

■ まとめ
建物の見た目や内装はもちろん大切ですが、それを支える「構造」も同じくらい重要です。
ラーメン構造は、自由な設計と高い安全性を両立させる構造形式として、これからの建築にも多くの可能性をもたらします。

asakura
朝倉 2025/04/15
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