積雪の構造計算

ぐっと冷え込んだこの冬。
「顕著な大雪に関する気象情報」という言葉を私は初めて聞きました。
 「顕著な大雪に関する気象情報」は、2018年2月に発生した北陸地方(福井)の
大雪に伴う大規模な立ち往生がきっかけで作られたそうです。

構造計算をする際にも雪の計算はとても大切。
多雪地の場合には、屋根の上に雪の重みが乗った状態で計算することになっています。

■建築物に対する雪に対する安全性の検証は、
構造計算を必要とする建築物(木造以外の建築物で2以上の階を有し、又は延べ面積が 200 ㎡を超えるもの等) について■
・地域に応じた積雪荷重を算定
・構造計算により積雪時に建築物が構造耐力上安全であることを検証
することとしています。

国土交通省では、積雪の耐震計算について下記のようにまとめられています。
〇積雪荷重
 積雪荷重については、積雪量1cmごとに1㎡あたり20N(約2kg重) 以上の単位荷重に、
屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算する。
ただし、多雪区域(垂直積雪量が1m以上の区域等)については、特定行政庁がこれと異なる定めをすることが可能である。
(例)積雪30cmの場合、600N/㎡(約61kg重/㎡)

○ 垂直積雪量
垂直積雪量に、全国 423 地点の気象官署において収集された過去15~68年間分の積雪深のデータから、
各地域(市町村域)において50年 再現期待値の積雪量を想定し、
・区域の標準的な標高
・区域の一定範囲に占める海域等の面積の占める割合
に応じて国土交通大臣が定める方法により算定した垂直積雪量に基づいて、
局所的地形因子等を考慮して特定行政庁が規則で定めている。

■建築基準法では
 基本的に積雪は長期荷重として加算しませんが、多雪区域に限りその0.7倍を加算します。
積雪時:固定荷重+積載荷重+積雪荷重×0.7
 積雪時の短期に生ずる力を計算する際は、一般の場合と多雪区域に関わらず加算します。

多雪区域なら雪が積もっているときに地震がきたり暴風がきたりする可能性があるので、
・暴風時:固定荷重+積載荷重+風圧力+積雪荷重×0.35
    (※暴風時は積雪荷重を加える場合と加えない場合の両方を検討します)
・地震時:固定荷重+積載荷重+地震力+積雪荷重×0.35

mito
三戸 2025/02/28
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