電気のお仕事(静電気のお話)
弊社の仕事に、いつもご理解およびご賛同をしていただき、ありがとうございます。
また、あらためて(電気編)のコラムを時々再開します。今回で通算7回目の掲載になります。
今回は静電気のお話をしたいと思います。
静電気というと、冬になると不意に襲ってくるあの"バチッ!"というイやな痛い思いのするあれです。
私も、車の乗り降り時や家のドア等に触る瞬間、必ずと言っていいほど指や手に雷撃(火花放電)を受けます。これはドアノブや車が悪いのではなく、人間側に溜まった電気が近くにある金属物に流れていく際に一気に流れるため、音や光も出るしショックも与えてしまいます。
この頃は便利な放電用グッズもあり、かなり助かっていますが、気を抜いていると時々直接触ってしまいやられてしまいます。
静電気の電撃を低減するには、大きく分けて2つの方法があります。
一つ目は先程の「放電用グッズ」を使用し、体に溜まった(主に服の繊維が原因)電気を逃がしてやることです。必ずグッズを携帯することとグッズを通して金属物に触るという手順が必要です。
二つ目は、体に電気を溜めないことです。溜めないためには「静電気防止用スプレー」を使用し静電気の発生を抑えることが出来ます。また、「絹」製品を使用する方法もあります。
「絹」製品は他の繊維と比べ保水量が高いため、静電気の発生を抑えることが出来きますが、衣類の組合せ(種類の違う繊維の組合せ)により静電気があまり減らなかったということがあるようです。
この様に静電気は、生活の上でも仕事の上でも被害を起こすことがあります。
セルフ式のガソリンスタンドでは、給油の際に「静電気除去シート」に触って放電し、体の静電気レベルを下げてから給油するよう案内があります。車の給油キャップを開けた際、ガス化したガソリンが漏れ出てくるので、火花が飛ぶと大事故につながります。
また、小麦粉など粉塵の舞うエリアではガソリンと同様に火花による爆発事故が起こっていますので、電気機器や配線工事で火花の影響が無いように防爆仕様の機器や材料を使用します。
身近なところでは、電子機器や半導体・メモリー等にも静電気による破損や故障を起こす恐れがあるので、アース用のリストバンドを使用して対策を行います。
厄介者の静電気ですが、使い方によっては色々と生活の役に立っています。
圧電効果(水晶や特定のセラミックスに力を加えると分極が現れる。また電界を印加すると物質が変形する現象)を利用した「圧電素子」(力を電圧に変える、または電圧を力に変換する)を使って、コンロやライターの点火やレーザープリンタや複写機のトナーの送り出しに利用されています。
電子回路では、静電気によるノイズの影響で誤動作する場合があるので、対象の回路や部品を接地した導体で囲み(静電シールド)、誤動作を防止することが出来ます。
この様に安全にまた安心して電気機器等を使っていただくために電気設計は大切です。
設計根拠やお客様のご要望をお聞きしてどの様な工事設計を進めていくかを考えながらより良い電気設備を作っていくお客様のお手伝いをしたいと考えています。