電気のお仕事(その5)
弊社の仕事に、いつもご理解およびご賛同をしていただき、ありがとうございます。
さて、(電気編)5回目の掲載になります。今回は、ケーブルサイズを決めたけれども、何点かの困った事例をご紹介したいと思います。
幹線ケーブルサイズと遮断器容量との相違について
ケーブルサイズを決めるときは、前回の方法で各々の負荷毎のサイズを決めて行きます。
各負荷合計の電流容量と負荷の重要率によって程度な幹線ケーブルのサイズを決めますが、上位の遮断器容量と相違が出てくる場合があります。
上位の遮断器容量 > 幹線ケーブルサイズ(許容電流)
例えば、遮断器容量が250AT(250Aを超えると遮断する)で、幹線ケーブルサイズがCET100sqを布設した場合、ケーブルの許容電流は200A(低減率0.7の場合)となり、ケーブルに流れる電流が200Aを超えて流れても遮断器は遮断しない状態となり、ケーブル火災が発生する可能性があります。
この場合の対策は、ケーブルの許容電流が250Aを超えるサイズのケーブルに変更(CET150sq)(許容電流265A、低減率0.7の場合)することです。
将来、負荷が増設されても、遮断器容量以内であれば、ケーブルの許容電流以内でもあり、ケーブルの引替え等の作業は不要となります。
電圧降下によるケーブルサイズで機器取合い不可
電圧降下によるケーブルサイズアップで、特にケーブル長さが長い場合や機器の電圧が低い場合(100V程度)にかなり太いケーブルサイズになります。対象機器は定格電流で製作しているため(電圧降下までは考慮していない)、ケーブルサイズと比べて端子台サイズが小さかったり機器付属ケーブルが細かったりして、接続出来ないという事象が発生します。
工事完了まで時間があれば、機器側への改造を依頼して接続出来る状態に変えてもらいますが、時間や改造等の費用がない場合は、太いケーブルサイズのままでケーブルを布設して機器近傍で端子箱を設けて接続可能なサイズに変更します。
または、対象機器の仕様を確認し、動作電圧範囲ギリギリまで電圧降下させてケーブルサイズを抑えることも可能と考えます。例えば、動作範囲が、93V~103Vであれば、93V付近までは大丈夫として計算します。この場合、電圧降下率は、7/100= 7% となります。
ただし、施工完了時には機器端子電圧が93V以上であることを確認する必要があります。
(実際には、施設や設備の電圧変動を考慮すると 95V位が望ましいと考えます)
この様に安全にまた安心して電気機器等を使っていただくために電気設計は大切です。
設計根拠やお客様のご要望をお聞きしてどの様な工事設計を進めていくかを考えながらより良い電気設備を作っていくお客様のお手伝いをしたいと考えています。